守屋淳氏が語る勝負師の条件: 「孫子」をベースにする論理

前回紹介した孫氏の続きでこの「勝負師の条件」は守谷淳さんが書いたビジネス本です。
良い本とは個人的に他の本を読み返したくなる本だと思います。そういう意味で、この本は良い本です。「孫子」をベースにビジネスに通じる勝負師を語っていますが、その勝負は実は事前の準備が大切ですよね。そういった教養が深くなる本でした。
今日はこの「勝負師の条件」をレビューします。

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テーマは「同じ条件でなぜ卓越できるか?」という孫子を知っている勝負師たちがいかに他と差別化して成功していくかという方法論です。
結論としては、土台があることです。土台とは、何か?さまざまな知識と経験から構築されますが、6つにまとめて紹介していきます。

1番目はプロセスの徹底検証
結果よりも大切にされる場合もあり、解析と改善が必要です。
つまり、毎回反省をするという過程を習慣化しなければなりません。過去の失敗を考え続けることは凡人にはしんどい作業ですが、ここが成功の分水嶺となりそうです。

最高の戦略教科書孫子

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  • 作者:守屋 淳
  • 日経BP 日本経済新聞出版本部
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2番目は専門性
素人にはわからない全体像を見られる視点が必要となります。専門知識は何十年もかかる特殊能力ですがA Iとの差別化を人間がするために必要です。
さらに、解像度。ここが、個人差の出る才能です。解像度とは、同じものをどう見て、解釈するか?つまりその個人のフィルターが重要です。
個人的にフィルターについては、カントの哲学が思い出されました。哲学とは土台の学問です。個人のフィルターを磨くには哲学が必要なのかもしれません。これは3番目につながります。

3番目は幅広い教養
この本には無意識が揺らぎであり、新しい思考を生み出すと書かれています。無意識には教養という様々な知識が必要になります。
その中から今必要なものを取り出す作業が、新しい思考なのです。アップルの創業者のコネクティングドットみたいですね。

4番目、人をよく知る
「ほとんどの人が己を知らない」これは孫子の名言ですね。自分を知っているつもりという人がほとんどです。また自分には2つのシステムが思考しています。有名な「ファスト&スロー」ですね。直感と熟慮この2つが行動経済学でも注目されています。だから自分も相反する考えを持っていて、それを冷静に分析することは非常に難しいのです。

 


さらに、思いやりが必要です。「ジョブ理論」では誰かが片付けたいことがビジネスになると書いていましたが、思いやりをもつことが社会課題の解決につながります。

5番目は未来を読む
未来の変化の本質を考える。未来は不確実であっても未来を読むこと、つまり本質を考えれば正解に近づくということです。
さらに、循環というものが世の常です。栄枯盛衰していく中で、どうすれば未来を読めるのか?
これはいかに危機管理できているか?とも言えます。シナリオプランニングと反脆弱性。個人的にはこの2つが必要だと思っています、シナリオが例え間違っていても許容可能範囲であれば大丈夫だからです。

 

最後は諫言役
人は歳をとって、成功してくると人の意見を聞けなくなります。聞く雰囲気を作ることが大切です。諫言役は年下でもいいですし、もう1人の自分でも構いません。
もう1人の自分の場合は、相当に鍛錬が必要となりますが。。

この本を読んで、リベラルアーツというものが守谷さんの土台を作っていてとても興味深いです。ただし、実社会でこれを体現できる人はどれだけいるのでしょう?知っていることと、実践することには圧倒的な乖離があります。日常でこういった知識が生きる環境の人には、ぜひ読んでもらいたい本でした。

マンガ 最高の戦略教科書 孫子

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