【FP2級 元会社員で主婦フリーランス コダイが綴る お金と個人事業主に関するブログです。】
資本主義経済は今も世界で拡張しています。格差社会は貧富の差を拡大させていて、このまま資本主義経済が続くと格差社会がさまざまな問題を生み出すかもしれません。
では、格差をなくすためにはどういった社会経済システムが必要なのでしょうか?
マイケル・サンデル教授の著書「運も実力のうち 能力主義は正義か?」という本があります。
資本主義社会が進んだ今、メリトクラシー的な考え方。つまり能力があり成果を出す人は努力をしていて、反対に能力がない人は努力をしていないという思想があります。
サンデル教授は儲かる職業が、必ずしも道徳的に正しいとは限らないと述べています。例えば教師と麻薬の売人は道徳的に教師の方が価値ある仕事をしています。しかし、金銭的な成果は麻薬の売人が高いかもしれません。
このように資本主義を突き詰めていくと倫理的な問題と、相反する場合が多く発生します。また、価値の問題が複雑化しています。
稼げるのは運だから、運がいいのは実力があるからといった、個人の能力主義的な価値判断も危険な思想です。個人の能力は取り巻く家庭環境や生まれた国の情勢などさまざまな要因が関係しています。
日本においては高等教育の機会が比較的安定していますが、親ガチャと呼ばれるような生まれ持った環境で実力の発揮できる機会が決まっている側面もあります。
私はこれまで、機会の不平等については考えてきました。しかし、運を左右するというサンデル教授の提言を聞いた今では、全てのことは偶然性があると思っています。
だから、資本主義の個人の努力が収入に影響しているという考え方に疑問をもっています。
もちろん、努力しないことをよしとするのではなく、公平な機会が何なのかをもう一度見直すべきだと考えます。
資本主義に変わるシステムが思い浮かばない現状で、できることはこれくらいかもしれません。